『Joel on Software』を褒めるスレ

客先への移動の新幹線の中で、ようやく各所で話題の『Joel on Software』を読了。「えっ、まだ読んでなかったの? バカなんじゃねぇコイツ」なんて言わないで下さいお願い。

Joel on Software

Joel on Software

一言で評すれば「面白いよコレ」。今年読んで面白かった書籍(「面白い」ですからね!)を 2 つ挙げろと言われると、一つはレイモンド・チェン*1の『Windowsプログラミングの極意 歴史から学ぶ実践的Windowsプログラミング!』なんだけど、このタイミングで滑り込んできたのがコレ。って言うか、奇しくもどちらも Microsoft の内情について述べられている本だよ。

ずっと Mac 野郎だったのに Apple がちっとも軽いマシンを出さないもんだから Libretto + Linux に移行して、それからずっと Linux を使い続けてたけど Cygwin のお陰で Windows が使えるようになったから Windows でもいいやって気分になったものの OS X になってからは再び Mac に戻った私にとって、Windows は常に唾棄すべき存在で、Microsoft は世界を悪い方向に向かわせる悪の組織だった。でも今年からはちょっと違う気がする。2007 年は私にとって、MicrosoftWindows を見直すきっかけになった年として、俺歴史の中に深く刻まれることになるだろう…なんてことはどうでもよくって。

直接的なメリットは、すぐに使えるプラクティスがふんだんに鏤められているトコロ。また、様々な戦い方、モノの見方、モノの考え方のエッセンスも身に付くんじゃないかなとか思ったりする。もちろん、本当にこれらのプラクティスや考え方が自分にとって有用かは個々人が判断しなくちゃならない。だけどプログラマにもマネージャにも思い当たるところは山ほどあるだろうし、日々の仕事を改善するためのヒントは沢山得られると思う。

元が Web のエッセイだから、どこからでも気軽に読める。肩が凝ることもないし、(プログラマであれば)理解に苦しむ箇所もないはず。誰がどうこうじゃなくて、ヒマなら読め、ヒマがなくても読めと何かを大にして言いたい。「Pascal 文字列とか懐かしー」とかそういう懐古趣味に浸れなくても大丈夫。それにしても Pascal 文字列なんて、ToolBox API の仕様を眺めてたとき以来のキーワードだなぁ。

ですので、もし本書を購入した結果として「つまんねー、こんな本読む価値ゼロだろこのボケが」って思った方は私まで本書を送りつけて下さい。折り返し購入代金である 2,800 円、それに送料と消費税を合わせてお返ししますので。これで安心して書店に走れますよね。

…って言いたいところだけど、残念ながらどこの VC も私には出資してくれそうにないので、鵜呑みにしないで下さい。ちなみに上記の元ネタは第 38 章。

*1:あ、チェンは『Joel』の中でも言及されてる