掛け値なしに面白い! 『英語の冒険 (講談社学術文庫)』

本当に久しぶりに日曜日の午後をのんびりと過ごせたので、手に取ったのが本書。かなり以前に購入してたのをようやく読むことが出来た。

英語の冒険 (講談社学術文庫)

英語の冒険 (講談社学術文庫)

ヨーロッパの片隅のちっぽけな島国で生まれた「英語」という言語が、如何にして現在のような巨大な存在へと成長していったのか…を、圧倒的なスケールで描ききった書籍。英語史としての本書にも十分な価値があるのだが、本書が素晴らしいのは、英語史を「英語そのものを主人公とした冒険潭」としていること。その物語がとても面白く、気がついたら休みなしに一気に読み切っていた。

イギリスだけではなくアメリカ大陸やインド、西インド諸島やオーストラリアに広がった英語のその後について取り上げているのも興味深い。また、ジョン・ウィクリフウィリアム・ティンダルによる英訳聖書誕生までの苦難などは、恥ずかしながら本書で初めて知った(KJV が 8 割方ティンダルによる訳そのものだ、っていうことも)。