『Hibernate辞典 設定・マッピング・クエリ逆引きリファレンス (DESKTOP REFERENCE)』が Amazon で予約できるようになりました

前著『エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方』に続いて取り組んでいた『Hibernate辞典 設定・マッピング・クエリ逆引きリファレンス (DESKTOP REFERENCE)』が、ようやく出版されることとなりました。Amazon では本日から予約可能となったみたいですね(実は同僚に教えてもらうまで気付かなかった)。

Hibernate辞典 設定・マッピング・クエリ逆引きリファレンス (DESKTOP REFERENCE)

Hibernate辞典 設定・マッピング・クエリ逆引きリファレンス (DESKTOP REFERENCE)

Hibernate に対する逆引きリファレンスを出版することは、実は私の積年の願いでもありました。私の執筆の基本スタンスは「中級者をターゲットにした良質の書籍を提供する」*1というものなのですが、Hibernate の逆引きリファレンスというのは、まさにこのスタンスに合致するものだからです。

実際に現場で Hibernate を利用するプロジェクトを数多く見てきて、Hibernate はやはり難しいんじゃないかと強く感じていました。それにも関わらず、Web や書籍にあるのは「Hibernate を使うとこんなに幸せになれますよ」的な情報ばかり。「そんな設計方針が通るプロジェクトってどのくらいあるんだよ」「そんな簡単な DB アクセスしかしないシステムなんてあり得ないだろ」…そんな思いに対する一つの答が本書です。

本書の執筆に割くための時間を捻出出来なかったので、執筆そのものは船木 / 三田の両氏にお願いし、私自身は監修という立場で参画しています。船木君は私の後輩ですが、何と入社 1 年目から Hibernate の専門家として我がチームに君臨する筋金入りの Hibernate 厨房。もう一方の三田氏は私もずっと一緒に仕事をさせて頂いた有能なアーキテクトであり、昨年の案件でも Hibernate 周りの面倒な仕事を一手に引き受けてくれた実力派です。両氏はまた、『開発の現場 Vol.011』において「Hibernate 7つの誤解」という優れた記事も発表しています。

本書には Hibernate の基本的な使い方から、複雑なマッピングやクエリの実現方法まで、Hibernate を利用する上で必要となるノウハウが詰め込まれています。執筆した両氏が現場で積んだ経験から、複合キーが多用されるレガシースキーマへの対応方法についてもバッチリ盛り込みました。私自身は「Hibernate を使うんなら複合キーという選択肢はあり得ないよ」と難色を示したのですが、結果的にはこれによって、現在の日本にはなくてはならないノウハウが盛り込まれることになったんじゃないかと感じています。

本書の執筆は苦労の連続でした。Hibernate の膨大な機能はもとより、「どこから何を説明をすれば分かりやすくなるのか」についても悩まされ続けました。現在の形式に落ち着く過程で、章の構成や項の記述内容について大幅な方針転換をかけたこともありました。私の我が儘に付き合って執筆を担当してくれた両氏には、本当に感謝しています。

実際に Hibernate を使っているプロジェクトのお役に立てば幸いです。

*1:この目的を果たせているかどうかは、はなはだ怪しいのですが…。